西牟田靖さんのノンフィクション『写真で読む僕の見た「大日本帝国」』を読み終えた。
この本は初版第1刷が2006年2月26日。
約1年を経て、やっとぼくの手元にやってきたわけだ。
すぐに読みたかった本だけど、近くの書店ではついにこの1年間、目にすることができなかった。

「写真で読む…」はタイトルが示す通り、文章を読まなくても写真を見るだけでも十分に価値があるフォトブックだ。
400点以上もの貴重な写真が収められている。
この本との出会いがなければ、これらの写真を目にすることなど一生なかったはずだ。
西牟田さんの行動力に感謝……。
唐突だけど。
風景写真が好きなゆうやが選ぶ「大日本帝国の史跡の写真」ベスト3!
まずは、P16~17。
サハリンのウズモーリエにある旧東白浦神社の鳥居。
鳥居の向こうに広がる冷たそうな海と薄い青空。
なんとも言いようのない寂りょう感があります。
次にP142。
中国瀋陽にある南満州鉄道の特急あじあ。
この本の帯にも使われている蒸気機関車パルマ号の写真だ。
錆びてボロボロになった車体に60年の時の流れを感じる。
そして、P215。
テニアン島の南洋桜と鳥居。
背景の空の青さもいい。
ぼくのじいちゃんもボルネオ島で、同じような南洋桜を見たんだろうか?
そんなことを思った。
さて、この本の良さは写真だけじゃない。
ぼくが知りたかった大日本帝国跡地の景色や、そこに暮らす人々の表情。
それらに対し、旅人としての純粋な視線を投げかけている西牟田さんの姿勢がすばらしい。
あとがきに書かれた一文に胸を打たれた。
だから僕は、
すこしでも多くの直接の記憶に触れたいと、
強く思う。ぼくはこの本によって、直接により近い形で日本人の記憶に触れることができた。
それは大日本帝国の光と影。
そして、人間と自然の生命力。
西牟田さん、今回もありがとうございます。
前作『僕の見た「大日本帝国」』とあわせて宝物にします!
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わっ!西牟田靖さんからメッセージが来た!
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