古いアパートの解体現場の初日。
ぼくは鍵がかけられたドアをぶっ壊して中に入った。
普通なら、そこには家財道具などないはず。
生活感のない空間に身を置く予定・・・。
ところが!!
いきなりぼくの目に入ってきたのが、なんとグリーンのでっかい冷蔵庫。
テレビにパソコン、ストーブも見えた。
「あーっ!壊す家を間違えたがあ!弱ったにゃあ」
ガーン!どころじゃないこのショック。
一瞬のうちに驚くほど大量の冷や汗をかいた。
ドキドキしながら、離れた場所に住む大家さんに電話で確認をしてみた。
壊す家に間違いはなかった。
家財道具は、どうやら数年前に夜逃げした家族が置いていったものらしい。
「ヨイヨイ♪たまげたがあ」
一同ほっとひと安心した瞬間だった。
それにしても、ぼくの知らないところで、いろんなことが起きてるんだな。
ちょっと複雑な気分だった。
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