『僕の初恋の旅立ちに』
二両編成通学電車 遠くの駅から乗ってくる
名も知らぬ子に恋をした 桜咲くころ恋をした
うわの空で聴くウォークマン I Love Youがリフレイン
他の乗客の陰からそっと 君の横顔をチラ見した
僕は陽炎 頬染めながら ゆらゆら揺れて夢心地
君を想えば苦しいよ 幻想 妄想 現実のギャップ
一度だけでも振り向いて 見つめて「好きよ」とささやいて
三度目にして最後の桜 勇気で書いたラブレター
今日こそ君に渡したい あふれる想いを伝えたい
駅までの道を無我夢中 自転車飛ばす雨の中
千里の恋の道のり半ば 不意のパンクに負けないで
僕は南風 ずぶ濡れのまま 雨粒つれて走り出す
心の奥がせつないよ 愛とか 恋とか 見えない世代
一度だけでもほほ笑んで やさしく「はい」と返事して
駅のすぐそばの踏切で 残酷 遅刻 降りる遮断機
遠回りしてあたためて やっとこれからって時なのに
通り過ぎてゆく 空っぽ電車の窓ガラス越し
愛しい君の影を追う
ドアの近くに見つけたよ
いつもとちがう 輝く瞳のその先に…
恥ずかしいくらいの至近距離
まさかだよ まっさかさまだよ
あいつが!あいつがいるなんて
冷たいレールにひびく音
君をさらった サヨナラ電車が遠ざかる
僕の初恋の旅立ちに 空が 桜が泣いている
「さよなら」ぐらい言わせてよ
雨よ もっと強く撃て 今すぐここで撃ち抜いてくれ
君のしあわせを祈れない ちっぽけな心 体ごと
詩:ゆうや











