【青春交差点】
素直な想い。まっすぐな言葉。いつもどんなときも。ぼくはぼくらしく。
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ゆうや

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三色弁当
 
高校1年の秋。
母ちゃんが家を出ていった。


置き去りにされたぼくには、次の日から学校に持っていく弁当がなくなった。
しかたがないから、昼の時間にはパンとジュースを買って食べた。
そんな状態が何日か続くと、さすがに周囲の目が変わってくる。


「ゆうや、おまえまたパンか」
「うん・・・」
「母ちゃんが作ってくれんのか」
「いやあ・・・」


母ちゃんが家出しただなんて本当のことは、とても恥ずかしくて言えない。
入院中だとゆうことにしてごまかした。


そうしているうちに、父ちゃんが新しい女の人を連れてきた。
「今日からこの人を母ちゃんと呼べ」と言う。
イヤだと言えば殴られるから、その場しのぎで適当にうなづいておいた。


その人の名はサユリ。
ぼくより5つ年上で、当時まだ20才だった。


サユリさんは、さっそく翌日からぼくのために弁当を作ってくれた。
それはそれでありがたかった。
が、おかずを半分ぐらいしか食べられなかった。
サユリさんが、ぼくの好き嫌いの激しいことを知らなかったからだ。
大好きなはずの卵焼きの味も、なんとなく合わなかった。


ぼくは弁当の残りを台所にある生ゴミの袋に捨てた。
サユリさんは気づいていたが、黙ってくれていた。
しかし、毎日続いたものだから、ついに父ちゃんに相談をしたようだ。
予想通り父ちゃんは激怒した。


「こんなが作った飯が食えんのか」
「・・・・・・」
「食えんのやったらこの家から叩き出すぞ」
「・・・・・・」
「どうなんや!はっきりせいや」
「すぐには無理かも知れません」
「なにーっ!」


父ちゃんは横暴でキレやすい。
すぐに大きな平手が、ぼくの左頬に飛んできた。
熱くなった頬を押さえながら、父ちゃんの横にいる人をにらんだ。
サユリさんは背を丸め、申し訳なさそうにうつむいていた。


それから2週間後。
父ちゃんとサユリさんが家を出ていった。
予約をしていた新築のマンションが入居可能になったからだ。
「あの女とすっかり縁を切るんやったら、一緒に置いてやる」
父ちゃんからそう言われたが、ぼくは断わった。
母ちゃんと絶縁するなんて、ウソでもできなかった。


大人に振り回されるのは、もうイヤだ。
将来なんてどうなってもいい。
自分の部屋で、遠慮なく呼吸がしたい。


ぼくはひとりで生きることに決めた。

 


三色弁当…の続きであります!



 

新年を迎え、父ちゃんからの金銭的な援助が切れた。
ぼくは1ルームのボロアパートに引っ越した。
繁華街のCDショップでバイトを始め、すぐに新聞配達も始めた。


そして、ぼくは生まれて初めて自分で弁当をつくった。
フリカケもない白いご飯に、おかずは卵焼きとウインナーだけ。
どこかの発展途上国の国旗みたいな弁当だった。


クラスメートに見られるのがイヤで、弁当箱に覆いかぶさるようにして食べた。
だが、そんなことで隠せるはずもない。
机を寄せて仲良く食べていた友だちに、しっかり見られてしまった。


「ゆうやの弁当、なんか殺風景やな」
「母ちゃんが手抜きしやがったんや」


友だちの言葉には悪意がこもっていたわけじゃないが、相当に痛かった。
母ちゃんが・・・と口にしたとたん、涙がこぼれそうになった。


他の子と同じように円満な家庭の子でいたかった。
そうであるかのように振る舞うのがつらかった。
初めての弁当は、とんでもなくしょっぱい味になった。


こんなことになったんは、誰のせいや。
ぼくなんか、生まれてこんかったらよかったんや。


ぼくは母ちゃんを恨み、父ちゃんを憎んだ。


その日、深夜にバイトを終えて家に帰り、弁当箱を洗うとき。
ぼくは声を出して泣いた。







【あとがき】


はい!おしまい。
とゆうことで、お弁当には特別な思い入れがある・・・ゆうやであります。

その後、ぼくはバイトの休憩時間になると本屋に行き、弁当のレシピを読みあさりました。
百円でできるお弁当とか、5分でできるお弁当など・・・。
ま、何事もそうですが、研究と努力が必要ですね。

これまでにも、お弁当に関する記事や詩をいくつか書いてきました。
が、それらはわりと明るめの話でした。
そこで、今回は一転して、悲しい話を書いておこうと思ったんですよ。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。




【関連記事】


お弁当に関する過去の記事を集めてみましたよ。
まだまだありますが、とりあえずオススメです。

◆お弁当大作戦
◆給食
◆感謝の気持ちは現在進行形

 
【Hide More】
2007/04/29 【 ビミョーに父ちゃん・・・ 】 CM.39 . . TOP↑
悲しい気持ち・・・マジ★ブルー
 
ぼくは父ちゃんに抱っこされた記憶がほとんどない。
昔、ジイちゃんや母ちゃんもそうゆう話をしていたから、たぶん間違いないのだろう。
抱っこどころか、父ちゃんが「ぼくのことをかわいいと思ったことが一度でもあるんだろうか?」と疑ったりもする。


小学生の頃のぼくは、あまり成績がよくなかった。
けれども、運動神経だけはよくて、スポーツ万能選手だった。
特に中学を卒業するまではずっと学年一の俊足だったから、運動会のかけっこで負けたことは一度もない。
町別対抗リレーと学級対抗リレーでは「常連」とゆう形容にとどまらず、「運動会☆永久欠番」とか「町民栄養失調賞」レベルの賞賛を受けていたものだ(…たぶん!)
さらに、走る姿は廻し車で遊ぶハムスターのごとくキュートじゃなくて、すばしっこいし・・・(これだけは思いっきりジマン!)


しかし、ぼくにはリレーで一度だけミジメな思いをした経験がある。
それは、小5のときの運動会。
事件は午前最後のプログラム、町別対抗リレー予選のときに起きた。


予選は2組で6チームと7チームが走り、それぞれの組の上位3チームが午後の決勝に進める。
4年生の子からバトンを受けたとき、ぼくらのチームは7チーム中5位だった。
優勝候補筆頭のぼくらだったけど、3年生と4年生のバトンタッチのときにバトンを落とし、それを後続の選手に蹴っ飛ばされたため、大幅に順位を下げてしまった。
それでも、5年生のぼくと6年生の先輩で逆転できる!
町内の人たちみんながそう信じていた。


バトンを受けたぼくは、第2コーナーを曲がったあとの直線で、前を行く2人を抜き去り、この時点で3位に上がった。
そして、第3コーナーから第4コーナーにさしかかるところでは、ついにトップをゆく選手に並びかけた。


しかし・・・。
ぼくのすぐ左後ろにいた3位を走る子が、ぼくの左肩のあたりを右手で強く引っ張った。
体重が軽いぼくはバランスを失い、観客席までふっ飛んでいった。
すぐに気を取り直して走り始めたけど、もう挽回できる距離は残されてなくて、結局6位で先輩にバトンを渡した。
6年の先輩ががんばって3人を抜き、なんとか3位に滑り込み、ぼくらは午後の決勝戦へ進むことができた。


DSCF0184-2s.jpg
〓ゆう坊が通った小学校の校舎〓


昼食の時間になり、ぼくは母ちゃんと父ちゃん、それに大好きなジイちゃんと子分衆が陣取っている場所へやってきた。
「ゆう坊、大丈夫か?」
「どこも痛いことないの?」
ジイちゃんと母ちゃんは笑顔でぼくを迎え、カッパ頭をなでてくれた。
「転んじゃったあ・・・エヘヘヘ。でも、ケガはしてないけん大丈夫!決勝はゼッタイがんばって優勝や」
ぼくは泣きだしたいぐらい悔しかったけど、町内の人たちもみんなが応援してくれていたので、なんとか気を取り直そうとしていた。


ジイちゃんの膝の上に座り弁当箱を開けると、父ちゃんがぼくを呼んだ。
「ゆう!ちょっとこっち来い」
父ちゃんはぼくを校舎の陰に連れて行った。
父ちゃんはこの日、朝から酒を飲んでいて、酒臭い息でこう言った。
「あのザマなんや?フウが悪い!決勝でコケたら、今晩家に入れんぞ。わかったか!」
十分傷ついている息子に対し、親がゆう言葉だろうか?
「え?でも、あれは後ろのヤツに引っ張られたんや。ぼくがコケたんやないよ」
ぼくが初めて負けた・・・その原因なんて言わなくても、父ちゃんにはわかっていてほしかった。
だから、言い訳をせず次の決勝でがんばると言ったのに・・・。


「競ったレースになったらなあ、あれぐらいのことしてくるヤツはナンボでもおる。こかされた(転ばされた)おまえがトロイんや!」
ショックなひと言だった。
「でもね・・・」と言いかけたぼくに、父ちゃんはさらに意地悪なことを言った。
「さっき席に帰ってきたときもなんや?すぐにおジイの膝の上に乗って!まだ赤ちゃんなんか?親のとこには全然寄り付きもせんクセにのう」
ぼくは父ちゃんから一切愛されてないことを知り、その場に体育座りをしてうずくまり、ひとりで泣き続けた。


しばらく泣き続けていると、ジイちゃんと母ちゃんがぼくを見つけてやって来た。
ぼくは父ちゃんに言われたことをふたりに話した。
「普通の親がそんなことゆうか?」
ジイちゃんは怒りで肩を震わせていた。


そして、何食わぬ顔で席に戻り酒を飲んでいる父ちゃんに向かい、あたり構わず大音響で怒鳴った。
「おまえはそれでも親か!ゆう坊を慰めてやったもんやと思とったら、逆にケナしてどないするつもりや!こらっ!」
普段から父ちゃんは、ジイちゃんに頭が上がらずにいた。
ジイちゃんに怒鳴られてその場に居づらくなった父ちゃんは、さっさと家に帰ってしまった。


午後の決勝戦。
ぼくは3位でバトンを受け、今度は余裕でトップに立ち、先輩にバトンを渡した。
もちろんチームもそのまま優勝!
小5のときの運動会で、そんな出来事があった。


DSCF0185-2s.jpg
〓俊足を飛ばしたグラウンド〓
懐かしいなあ・・・


ぼくは父ちゃんに結婚の報告をするため、今夜遅くに電話を入れた。


「父ちゃん、ぼくは来月結婚することになりました」
「ほうけ。よかったのう。で?」
父ちゃんは明らかに迷惑そうに、そう言った。
「あっ、いや・・・」
ぼくが言葉に詰まっていると、
「お祝いがほしいけん電話してきたんか?」
意地悪な性格は、どうやら昔と全然変わってないようだ。
「結婚することを連絡したかっただけです。じゃあ、お元気で・・・」


ぼくにはそれしか言えなかった。
父ちゃんに向かって「ありがとう」とゆう言葉は、どうしても出てこなかった。


ハートせつなく、悲しい気持ち・・・。
マリッジ☆ブルーなんかじゃなくて、

マジ★ブルー★レンジャー

・・・・・・になりそうだ。
 
2005/04/27 【 ビミョーに父ちゃん・・・ 】 CM.0 . TB.0 . TOP↑
  
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